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独学合否:勉強すれば独学合格可能。
消防設備士とは?
消防設備士は、時期にもよりますが求人が多く甲種、乙種共に100件以上の求人がある資格です。
100件以上というのが多いか少ないかは別としても、「防災」という社会生活上欠かせない機能を維持する為に法律で定められた業務のため、常に一定数の求人がある資格です。
消防設備士の業務内容は、消防設備の点検・工事で、スプリンクラーや煙感知器、消火栓や消火器など、ホテル・旅館、飲食店、複合商業施設、学校、工場、倉庫、地下街等に設置されている消防設備です、家庭内にも煙感知器や消火器などの消防設備があるはずです。
当該消防設備のうち、一定規模の建物では消防設備士による「点検」が法的に義務付けられているのですが、もう一つの消防設備士の大事な仕事が「工事」です、消防設備の設置や施工といった「工事」は、消防設備士の独占業務であり、消防設備士の甲種の資格を持った者でないと行う事が出来ないのです。
先程お話ししたスプリンクラーは、消防設備士が工事を行い、その後は定期的に消防設備士が点検を行う事になります、それは消防設備を必要としている大型設備では、消防設備士が必ず必要となる事を意味しています。
消防設備士の求人は、主に防災会社が中心となりますが、その他は建物管理、設備・施設管理を業とする企業が多くなります。
消防設備士、甲種と乙種!
消防設備士の甲種と乙種の違いは分かり易く、甲種は消防設備の「工事」と「整備・点検」を行う事が出来ますが、乙種の資格者が出来るのは「整備・点検」に限定されていて「工事」を行う事が出来ないのです、「工事」を行う事が出来るか出来ないかが甲種と乙種の違いです。
これは消防設備士甲種の試験には「工事」の問題が出題されると言う事になります。乙種の試験が「30問」に対して、甲種は工事関係の問題が増え「+15問」されて、「45問」とその量は1.5倍とかなり増えます。
また、甲種の実技試験で「製図」が出題されるので、受験勉強の負担は増える事になりますが、余り心配する必要はありません。
問題の求人ですが、ハローワークの求人票は、必要資格に「消防設備士」とだけ書いているものが多く、「甲種」といった厳密な求人は少くない、しかし採用側は甲種を求めていると思われる、同じ消防設備士の資格で工事が出来ないのでは当然ですが仕事の幅が狭まる為に求人側は甲種資格取得者を優先する事になるでしょう。
消防設備士の甲種を受験するには下記の様な受験資格が必要です、もし受験資格が無ければ「乙種」から受ける事になります。
特類以外 | ||||||||
(1) | 大学卒業等の資格(指定学科又は課程)で受験される方(下表いずれか一つ)
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(2) | 実務経験を有する方 実務経験証明書(受験願書のB面の様式に記入してください。) |
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(3) | 次に掲げる資格、免状等を有する方
免状・免許証・合格証明書等(免状・免許証はコピー) |
「甲種」の受験資格は、よく見ると抜け道的なものがあるのが分かります、残念ながら私は持っていませんが、建築系の仕事をされていた方などは受験資格となる資格を既にお持ちかもしれませんね、よく確認してみましょう。
私の周りには教員資格を持っている人が意外に多かったような(笑)。
どの「類」を受験すべきか?
結論
甲種4類の受験資格をお持ちでないなら、最初の消防設備士の受験は合格率も高く難易度も高くない、教材や通信教育が充実している「乙種6類」から受けるのが効率的です、第2種電気工事士や他の有資格者は、試験の一部免除のある甲種4類(乙種4類)や乙種6類、乙種7類を受ける事をお勧めします。
詳しく消防設備士の「類」と「種」をお話しすると!
消防設備士の資格試験を受験しようと考えた時に最初に迷うのは『消防設備士試験の、何種の何類を受ければよいか?』という事です。
消防設備士は、消防設備ごとに資格区分があるため、初めての人は、どの種のどの類を受験すればよいか、何が重要が多いのかも良く分かりません。
ここでは、消防設備士の受験について、「他の資格も持たない知識が全くない人」、「危険物取扱者の乙種4類の資格取得者」、「第2種電気工事士等の資格取得者」の3つのパターンから受験種類の決め方を考えていきたいと思います。
他の資格も持たない知識が全くない人
「他の資格も持たない知識が全くない人」とは、事務職、文系、消防設備が始めての人、消防設備とはまず無縁であろう人達を想定しています。
「他の資格も持たない知識が全くない人」には、「乙種」の「6類:消火器」をお勧めします、これは乙6の合格率は、「40%」で消防設備士の試験の中では合格率が高く、「まじめに勉強する方」や「努力を続ける方」が合格に一番近く、その努力がストレートに合否に現れる試験内容である事、全くの未経験の方でも勉強さえやれば独学合格が可能なのです。
また他にも、乙種6類は消防設備士試験の中でも受験者数が2万6000人強と一番多いのも大きな理由の一つです、なぜ受験者数が多いのが良いかというと、受験生が多いと通信教育や教材に困らないのです。
受験者数が多いということは、教材の需要も多くテキストや問題集もたくさん出版される事になります、「独学」の場合には、利用する通信講座や教材の『質』は、ことのほか重要で、「通信講座」や「教材の選択肢が多い」のは、実に重要な事となっています。
乙種6類には通信教育や市販教材が多く、カリキュラムに沿ってテキストと問題集を2~3回繰り返していれば、合格点を確保できます。
これは他の消防設備士の種や類は受験者数を見てもらえばわかるように、受験者数が少ないと、教材の需要も薄いので、教材がほとんど市販されていません、まあ通信教育なら心配は要りませんが。最悪は○○協会発行等の高いものを利用しなくてはならないかもしれません。
なので、どの種類を受験するか迷っているなら、通信教育や教材の豊富な「乙6」にするのが無難です。
更に最初に受験する方には乙種6類の試験勉強のボリュームが少なめで試験勉強期間が「通常なら2ヶ月」なのが最大の推薦理由です。
乙種6類の試験勉強は、時間的にも労力的には働いている方でも過度な負担を生みません、通勤や通学時で多くの勉強時間を生み出す事が可能です。
この様な理由で「他の資格も持たない知識が全くない人」の消防設備士受験は「乙6」、をお勧めするのです。
「おいおい」合格率からすると、乙種7類の方が合格率が高く、「60%」じゃないか、乙種6類の1.5倍強も高いぞ、乙7の方が合格し易いんじゃないかと考える方も多いのではないかと思います。
しかし、これは受験生の内容をよく見る必要があります、乙種7類は大半の受験生が第2種電気工事士などの資格保持者で『試験科目の一部免除』を享受しての受験する方が多いのです、このために合格率が上がっていることを理解しておくことが必要です。
まあ、乙種6類と乙種7類ともに難易度に大差はありません、が乙種6類で問題となる消火器は、消火器自体がシンプルな構造なので、学習内容も複雑ではない利点があります。 こうした内容からも、最初は乙種6類がお勧めです。(乙種7類の消火器は「漏電火災警報器」で、電気配線が絡んで複雑になります。)
試験合格後に、消防設備士の免状を取得すると「講習受講義務」が生じます、しかし!
「免状を発行しなかったら受講しなくても良い」
「合格自体はずっと有効なので、免状が必要になってから発行すればいい」
「受講義務に違反しても、別段、免状が取消される大きなペナルティはない」
…という具合になっています。
危険物取扱者の乙種4類(通称:乙4)の有資格者
ここでは、『乙種4類の危険物取扱者』のですので、間違わないようにしてください。
危険物取扱者の乙種4類の有資格者の方は、「消防設備士の乙種6類(乙6:消火器)」の受験が絶対お勧めです。
理由は、危険取扱者乙種4類で勉強したことと消防設備士乙種6類で勉強することの、共通点が多くて被っているので、勉強の負担が少なくなるからです。
危険物取扱者の乙種4類の受験では、油火災に使ってはいけない消火器等を、勉強したはずですが消防設備士の乙種6類でも、同様の論点があり言うまでもなく頻出論点です、乙種4類で勉強した分、乙種6類では楽ができるのです。
先の「他の資格も持たない知識が全くない人」でもお話ししましたが、乙種6類の勉強に費やす時間は、それほど多くはないので、危険物取扱者の乙種4類に受かる努力の出来る方なら、消防設備士の乙種6類でも全く問題は有りません。
危険物取扱者の試験勉強から、多少ブランクがあっても、直ぐに思い出します、再記憶は容易です。
何気に、危険物取扱者の乙種4類と消防設備士の乙種6類は、実際の業務の上でも相性がよく相乗効果で勤務先で頼りになるはずです。
危険物の乙種4類の有資格者の方は、是非とも消防設備士の乙種6類を受験してみてください、1+1=2以上になるはずです。
電気工事士と電験の有資格者ー「甲種4類」か「乙種4類」
第1種・第2種電気工事士や電験の有資格者の方は、試験免除が受けられる「甲種4類」か「乙種4類」を受けるといいでしょう。
基礎的知識の「電気」等々が免除になるので、他の科目に集中できます。
なお、最初にお話ししたように甲種は「工事・整備・点検」ができ、乙種は「整備・点検」のみができるという、資格によって行える業務が違います。
先程、話した第2種電気工事士等の資格取得は、『甲種』の受験資格となっています、『甲種』は「製図」が実技試験に追加されるので、その分だけ難易度が上がります。
しかし今後の就職を考えるなら、本格的に防災関係を主業務とする会社に勤めたいと思っているなら、「甲種」まで取得しておく方が就職に有利になります。
甲種は、乙種の上位互換なので、受験資格を持っているなら『甲種』を取っておくべきです、しかし、受験資格が無い人や、勉強時間を作るが難しい人は、まず最初に「乙種」の4類を取得しましょう。
求人の中で、厳密に「甲種」を求める求人は多くなく、メンテナンス業や設備業の求人では、「整備・点検」が主たる業務ですから、乙種でも就職できます。
お勧めする甲種(乙種)4類ですが、受験生が多い種・類なので、通信教育や市販されている教材もたくさんあります。
独学でも不安になる事はなく、通信教育や教材選びに苦労することは余りないでしょう。
試験の難易度は、乙種6類ほど易しくはないですが、通信教育のカリキュラムや教材・問題集の内容を消化、努力さえすれば、合格できます、頑張りが必要なのは甲種の製図位ではないでしょうか。
今お話ししたように、第2種電気工事士等々の資格をお持ちならば、免除が受けられ科目が減るので他の科目に時間を掛ける事が出来ます、なので甲種4類か乙種4類を受験しましょう。
電気工事士と電験の有資格者ー「乙種7類」
第1種・第2種電気工事士や電験の有資格者の方は、試験免除が受けられる「乙種7類」を受験される事をお勧めします。
乙種7類を受験するメリットは、受験する科目免除が受けられるところで、最も免除が受けられるのは、「他の消防設備士の有資格者」+「電気工事士の有資格者」のケースです。
法令共通と基礎的知識、構造・機能さらに実技試験まで免除されるので、受験科目問題の「全35問中25問」が免除され、驚くことに約7割も受験しなくてよいのです。
勉強しなくてはならないのは「法令類別の4問」と「規格の6問」の「合計:10問」となってしまうのです、一番免除数の多いケースでは「10問」の勉強です。
消防設備士の資格がなくても、電気工事士の資格さえあれば、先述したように「実技」が丸々免除され、他の科目に集中して勉強する事が出来る安心感があります。
効率的に資格取得するなら、免除をふんだんに享受できる乙種7類の受験です。
他の消防設備士について
先述したように、消防設備士の甲種4類・乙種4類と、乙種6類・乙種7類以外は、言うほどに受験者数が少ないので、教材選びに戸惑うので通信教育が安心です。
甲種の1類は、まだ市販教材がありますが、そのほかの類となると消防関係が実施している講座やセミナーのテキストを手に入れて本試験を受験する事になります。
個人的には、甲種4類(乙種4類)や乙種6類、乙種7類以外の消防設備士の資格は、教材等々でコストがかさむので、職場や勤務先から、取得するように依頼があった場合に取るのがよいでしょう。
纏め
消防設備士の取得費用は、甲種なら「16,000円強」、乙種なら「13,000円強」が入用である。
テキスト代と問題集代、そして、受験料が費用の大半である。過大な費用がかかるわけではない。
また、消防設備自体が、今後も“なくなることがない”だろうから、応じて、消防設備士の需要も、あり続けると思われる。
そして、日本全国津々浦々に、消防設備はある。大きなマンション1つ、介護施設1つ建てば、消防設備士の需要が生まれる。求人数は100件強と決して多くないが、資格としての汎用性の高さと、資格の“寿命”は長いといえる。
そのほか、消防設備士は、「消防設備点検資格者」の受講資格(受験資格みたいなもの)であり、プラス実務経験で「防火対象物点検資格者」の受講資格となる。
何気に“総務系”資格であるので、事務系の人が消防設備士を持っていると、「防災担当」という形で重宝される可能性は高い。
このように、消防設備士は、取っておいても決して損のない資格である。
なお、ちなみに、消防設備士は「免状を取得する」と、講習受講義務(7,000円)が発生する。保有コストがかかるので要注意だ。当該受講義務の詳細についてはこちらを参考されたし。
消防設備士の一般事項
消防設備士は、「国家資格」であり、取得者には一定の評価がある。
消防設備士は「必置資格」であり、法的需要がある。(参考:必置資格とは?)
消防設備士は、一般には知られていないが、総務や設備ではメジャーな資格である。
消防設備士の甲種には、受験資格がある。対して、乙種に制限はない。乙種は誰でも受験できる。