Contents
海事代理士
海の弁護士と言われ高度で専門的な知識が必要。
難易度 | 学習期間 | 資格の種類 | 資格の分類 | 合格率 | 将来性 |
---|---|---|---|---|---|
難関 | 1年以上 | 国家資格 | 業務独占資格 | 50% |
現状維持 |
海事代理士とは
船舶は、家や土地のような財産と同じで、造船したら登記をする必要があります。海事代理士とは、船舶の登記や登録、検査申請などを行い、あわせてその船に乗る船員に関する労務、その他の海事許認可などの手続きを代理人として行います。
この仕事に就くには国家試験である海事代理士試験に合格し、地方運輸局に登録をする必要があります。主となる業務内容は船舶の登記ですが、これは行政書士や司法書士も行うことができるため、海事代理士のみで請け負う仕事量はさほど多くないようです。
開業することも可能ですが、それで成功を収めることができるのは、ごく一部の海運・造船業界に太い人脈を持った人に限られるといわれます。こうしたことから、海事代理士として生活を成り立たせるためには、行政書士や司法書士、社会保険労務士などの資格を併せて取得し、仕事の幅を広げる努力が必要になるでしょう。
海事代理士の仕事内容
海事代理士は国家資格であり、海事代理士法に関する法律の専門家で、「海の法律家」とも呼ばれています。
海運や造船分野の法人、船主個人などの依頼を受けて、船舶の登記をはじめとする申請や届出などに必要な書類の作成を行い、国土交通省や都道府県などの行政機関に対する手続きを代行します。
海には陸上とは異なる法律が定められており、国際的な条約も多数存在しています。
これらを守ることにより各国間の平和が保たれているため、海の法律や条約の専門家である海事代理士がクライアントへ適切なアドバイスを行うことは、海の安全を守ることにもつながっているのです。
海事代理士は役に立つ資格?
港湾関係の仕事とは全く別の仕事をしている方が、この資格をとって、自分で事務所を開設するのは難しいようです。現在港湾関係の仕事をしているか、既に行政書士や社会保険労務士として活躍している方が、業務上必要であり取得する場合がほとんどです。かなり専門的な知識が必要となるので、この資格を取得して、開運、港湾の会社に転職するのは高アピールの材料になります。
海事代理士の現状と将来性
近年は不況の影響で、日本の海運会社が安価な外国籍の船舶を使うことが増えています。
これにより必然的に日本の船籍を持つ船が減ったため、海事代理士の職務は窮地に立たされています。
この先も不況から抜け出せる保証はなく、将来性にも不安を拭えません。
こうした背景から、海事代理士1本で独立開業を目指すのは難しいといえるため、行政書士や司法書士、社会保険労務士などの資格を併せて取得するなど、仕事の幅を広げる手段が必要になるでしょう。
海や船がこの上なく好きで海事代理士しか取りたくないという人の場合、他の職種と兼業しなければ、収入の安定は見込めません。
行政書士との兼業がほとんど
海事代理士のホームページを見ると、そのほとんどの方が行政書士との兼業であることがわかります。
海事代理士の給料・年収・待遇
専任の海事代理士が少ない現状であるため、平均的な初任給や年収を割り出すことはできません。
会社員や行政書士などを兼業している人が多く、兼業の職種の方がはるかに収入がいい人が大半です。
行政書士や司法書士などに比べて開業が難しい職種であり、開業して成功を収めることができるのは、ごく一部の海運・造船業界に太い人脈を持った人に限られるでしょう。
このような人の場合、開業当初の年収は500万円程度だといわれています。
また、開業10年ほどのベテランになり、地域に根付いた独占市場を手に入れることができれば、年収1000万以上に大きくアップするケースもあるようです。
実際はかなり低い合格率
ほぼ毎年の合格率は50%前後です。この数字だけを見ると簡単そうに思えますが、実際は既に行政書士や社会保険労務士の資格を持っている人が受験しますので、もともと受験生のレベルが高く、簡単には合格できません。
海事代理士に合格するためには
海事代理士になるためには、国家試験に合格して登録資格を取得し、その後、国に登録をする必要があります。試験の内容は、憲法、民法、商法などの法律の基礎知識に加え、専門分野である海事関係法令など合計18の法律に関する筆記試験と、筆記試験合格者を対象とした面接からなっています。
船舶に関する知識がない方でも十分に合格は狙えますが、海事代理士試験特有の用語がたくさん出てくるので最初のうちは専門的な用語集が手放せません。もっとも初学者にとっては憲法、民法、商法を学習する際に当初用語の意味が分からないのと同じです。
最終合格率は、およそ30%~50%前後です。司法書士、行政書士、社会保険労務士の合格者や既に開業している人が多く受験するので高めの合格率になってますが、実際には難易度も高く合格するのは容易ではありません。
海事代理士試験情報
試験日 | お申込み |
---|---|
9月末ごろの平日 | 8月 |
受験資格 |
---|
学歴、年齢、性別等による制限はありません。 |
試験内容 |
---|
試験は、(1)筆記試験と(2)口述試験があります。(1)筆記試験 一般法律常識(概括的問題)憲法、民法、商法(第3編「海商」のみ対象。)と海事法令(専門的問題) (2)口述試験 本年の筆記試験合格者及び前年の筆記試験合格者で本年の筆記試験免除の申請をした者に対して行われます。 |